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掲載内容一部抜粋
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内田会計グループ 代表 長崎オフィス 所長 税理士 内田 佳伯
集団の力=小さな力の集まり
9月末に執筆した10月号の本稿では、石破氏が自民党の新総裁に決まったことを書いていました。それから一か月後の今、石破総理の決断により衆院選が急遽おこなわれ、自民党が大敗し、公明党を合わせても議席の過半数を割ってしまいました。
一か月の間に急展開となりました。この原稿は衆院選の結果が出て間もない10月末に書いていますが、原稿が誌面になる頃にはまた、大きく状況が変わっているかもしれません。現時点では、自民党が少数与党となり政策ごとに野党と協議することになるか、自公政権に新たな党を加えた連立政権を作るのか、野党政権に政権交代となるのか、全ての可能性が残っている状態です。石破総理が、総理でなくなっている可能性もあります。
また、皆様が本誌を目にしている時点では、すでにアメリカの新大統領も決まっているはずです。こちらも大混戦でまったく予想がつかない状態です。日米ともに、政治的に大きな変化が続きますね。
ところで今回の衆院選での投票率は53.85%で、戦後3番目の低さだったそうです。政治と金の問題が大きく取り上げられ、自民党、立憲民主党ともにトップが変わったばかりという、話題に事欠かない選挙であったにもかかわらず投票率が低いというのは、民主主義国家として非常に拙い状況だと思います。
テレビで、投票に行かなかった人へ理由を聞くインタビューをしていました。マイクを向けられた若い人は「どうせ自分が一票入れても大勢に影響はない、無駄だから行かなかった」と言っていました。回答数の集計をしていないインタビューだったので、これが多数の意見とは限りませんが、感覚的にはそういう理由が多いのだろうと思います。
確かに、大きな集団の中で、一人ひとりの影響力は限られます。しかし、集団が力を発揮するには、その一人ひとりの影響力の積み重ねが必要です。逆に、自分ひとりがやらなくても影響はない、とみんなが考えれば、集団はマイナスに向かって引っ張られます。このことは、経営者の皆様はよくご存じだと思います。
投票率の低さは、自分ひとりがやらなくても、と考える人が多いことのサインのように思います。日本企業が全体として弱体化していることと、投票率が下がっていることは、根っこで繋がっているのかもしれません。