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掲載内容一部抜粋
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内田会計グループ 代表 税理士 内田 佳伯
不正をさせた側の責任
4月末から5月初めはゴールデンウィークです。今年はカレンダー通りに休めば、5月2日の土曜日から6日の水曜日まで5連休となります。行楽には適した気候なので、車で遠出される方も多いと思いますが、中東の混乱が長引くことで、今後のガソリン代高騰が心配されます。すでに石油関連製品については、さまざまな影響が出ていると耳にします。早期の事態鎮静化を期待したいところです。
少し前になりますが、1月19日付の日本経済新聞に、世界的な会計事務所であるKPMGが実施した、会社で起こった横領等の不正行為に関する調査の記事が掲載されていました。この調査によれば、不正が発生するのは「動機」「機会」「正当化」の3つの要因がそろったときとされています。
このうち「動機」はお金が必要となる事情であり、「正当化」は「自分は悪くない」と考えることで、不正への心理的ハードルを下げる言い訳の有無を指します。これらはいずれも本人の事情や心理的な問題であるため、会社側での対策は難しい面があります。よって、不正防止のために特に注意すべきは、「機会」を与えないという点です。では、どのような場合に不正の「機会」が与えられてしまうのでしょうか。
「機会」となりうる要因の一つは、権限が特定の人に集中していることだそうです。支払業務や帳簿管理を一人で行っている場合、不正を容易に行うことが可能となります。人員体制の問題もあるかと思いますが、できれば経理業務は一人に任せきりにするのではなく、複数人で分担したり、定期的に担当者をローテーションする仕組みが望ましいでしょう。
もう一つの大きな要因は、業務環境が孤立していることだそうです。周囲の目が届かない環境で仕事をしていると、不正への誘惑が強くなります。他の人の目がある環境や、経営者などが業務内容を定期的に確認する体制があれば、不正の抑止につながります。この点については、私どものような会計事務所がお役に立てる部分でもあると考えています。
「不正防止」というと、社員を疑うといったネガティブなイメージを持たれがちです。しかしKPMGの調査によれば、不正をした人は「周囲から敬意を持たれており、誠実そうに見えて、周囲の人が疑わないような人」が多いとされています。人の心は弱いものです。本来であれば不正をしない人であっても、できてしまう環境に置かれたことで、横領などの不正に手を染めてしまうことがあります。社員が不正の誘惑に駆られないためにも、「機会」を作らないことが、会社と社員双方にとって重要であると言えるでしょう。