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  • 2024.12.16
  • Category: 福祉介護

介護サービス情報公表制度の見直しについて

投稿者:福祉介護グループ

令和6年度より、経営情報の報告・公表のため、「介護サービス事業者の経営データベース(新設)」と「介護サービス情報公表制度(見直し)」の2つの制度が新たに始まりました。
今回は「介護サービス情報公表制度」について取り上げます。

1.介護サービス情報公表制度とは

「介護サービス情報公表制度」により、利用者等が事業者の情報を比較検討し、適切に介護サービス事業者を選択することが可能となるよう、平成18年度から介護サービス事業者に介護サービス内容や運営状況に関する情報を公表することが義務付けされました。

「介護サービス情報公表システム」が整備され、全国の介護サービス事業所のサービス内容等の詳細情報をインターネットで自由に検索・閲覧できるようになりました。平成30年度には介護サービス概算料金試算機能が追加されており、その都度、便利な機能追加がされているようです。

2.公表する情報

事業者が公表する情報は、既存の①②に加えて、今回の見直しにより③④が追加されました。ただし④は任意です。


①基本情報事業所の名称・所在地等、職員体制、利用料金等、法人情報 等
②運営情報利用者の権利擁護の取組、サービスの質の確保への取組、相談・苦情等への対応、外部機関等との連携、安全・衛生管理等の体制 等

③事業所等の財務状況がわかる書類の報告直近事業年度終了時点の財務諸表(事業活動計算書(P/L)・貸借対照表(B/S)・資金収支計算書(キャッシュフロー)を報告
④一人当たりの賃金の報告(任意)事業所・施設の特性に応じ、設置主体や速習、勤続年数等がわかるような形での公表を可能とする

財務状況のわかる書類については、会計基準上求められていない等の事情がある場合は、資産・負債及び収支の内容がわかる簡易な計算書類でも差し支えありません。また報告単位は、介護サービス事業所・施設単位ですが、会計処理等(事業所毎に分けていない等)のやむを得ない事情がある場合は、法人単位で公表しても差し支えありません。
なお、報告期限は毎年度とされ、長崎県の令和6年度の報告については12月中になるようです。

3.第三者による訪問調査

一方、公表されている情報の内容を確認するため、都道府県知事が必要と認める場合は、第三者による訪問調査を行うことができるとされています。国のガイドラインによれば、自ら調査を希望する場合を除いて、新規申請時又は新規指定時は調査を実施すべきとされ、更新時は地域の実情にあわせて調査が実施されます。

ただし、第三者評価を定期的に実施している事業所や外部評価が義務付けられている地域密着型サービス事業所については、調査は行わないこととされているようです。
この第三者評価とは、福祉サービス事業者の提供するサービスの質を当事者以外の公正・中立な第三者機関が、専門的かつ客観的な立場から評価する事業で、長崎県においては「長崎県福祉サービス第三者評価機関認証要綱」により認証した第三者評価機関が行います。

長崎県が認証している評価機関は4法人(令和6年12月現在)あり、その中の「有限会社医療福祉評価センター」は内田会計グループの法人です。受審には料金が発生しますが、新たな気づきを発見し、事業所のサービス向上につながっていくのではないでしょうか。もし気になられる方はこの機会に担当者にご相談ください。

参考

厚生労働省 介護サービス事業者経営情報データベースシステム
厚生労働省 介護サービス情報の公表制度
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
長崎県 介護サービス情報の公表
長崎県 長崎県福祉サービス第三者評価事業