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  • 2025.01.23
  • Category: 経営

令和7年度税制改正における設備投資税制

投稿者:経営サポートグループ

令和6年12月、令和7年度税制改正大綱が発表されました。今回は、その中でも特に利用頻度の高い「設備投資税制」の改正について、簡単に解説します。

1. 中小企業経営強化税制の拡充及び延長

「中小企業経営強化税制」は、経営力向上計画を提出し設備投資を行うことで、以下のいずれかを選択できる制度です。

  • 10%の税額控除
  • 即時償却

この制度の適用期限は令和7年3月31日まででしたが、令和9年3月31日(令和8年度末)まで延長されました。ただし、単なる延長ではなく、以下の改正が行われています。

  • C類型(デジタル化設備)の廃止
  • A類型(生産性向上設備)の条件変更
    生産性基準が「単位時間あたりの生産性」「歩留まり率」「投入コスト削減率」のいずれかを満たす必要あり。
  • B類型(収益力強化設備)の条件強化
    投資収益率の年平均基準が「5%以上」から「7%以上」に引き上げ。

また、B類型では成長意欲の高い中小企業の設備投資を支援するため、新たな要件が追加されています。売上100億円超の達成を目指したロードマップ作成が求められ、これに伴い工場のラインや店舗などに関する建物も対象設備として認められるようになりました。

2. 中小企業投資促進税制の延長

「中小企業投資促進税制」は、特定の設備投資を行うことで以下のいずれかを選択できる制度です。

  • 7%の税額控除
  • 30%の特別償却

この制度も2年間延長され、令和9年3月31日まで適用可能となります。ただし、内容の変更はありません。

3. 先端設備導入による固定資産税特例の見直し

生産性向上や賃上げ促進を目的とした固定資産税の特例措置についても2年間延長されます。加えて、賃上げ率に応じて軽減率が見直されました。

  • 賃上げ率1.5%以上を表明:3年間、課税標準を1/2に軽減(従来は1/3)
  • 賃上げ率3.0%以上を表明:5年間、課税標準を1/4に軽減

この賃上げ表明は、雇用者全体の給与を増加させる計画を従業員に表明することが要件です。

今回は、設備投資に関連する税制改正について解説しました。基本的には既存の制度が延長されていますが、一部要件が改正されています。そのため、計画作成時にはこれまでの内容がそのまま適用できない場合がありますのでご注意ください。

本記事の内容は令和6年12月時点の情報に基づいています。今後変更がある可能性もありますので、具体的な適用要件についてはお気軽に弊社までお問い合わせください。

参考

経済産業省 令和7年度(2025年度)経済産業関連 税制改正について