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掲載内容一部抜粋
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内田会計グループ 代表 長崎オフィス 所長 税理士 内田 佳伯
「わからない」ことの不安
昨年、一昨年と一カ月延長となった個人確定申告の期限ですが、今年は一律延長はしないとの発表がありました。新型コロナウイルスの影響により期限までの申告が困難な事情がある場合は延長可能とのことですが、基本的には本来の期限である3月15日までの申告が必要となります。先月の本誌にて、今年も期限延長になるかも、と書きましたが、見事に外してしまいました。
昨年、2021年2月1日の全国の新規感染者数は1,793人でした。一方、今年の2月1日の全国新規感染者数は81,593人です。予想を外したことの言い訳ではないですが、今年のほうが40倍以上の感染者が出ているにもかかわらず、昨年は期限延長、今年は延長なし、となりました。数字だけを見れば、昨年より今年のほうが感染のリスクは高いはずです。にもかかわらず、昨年よりも今年のほうが新型コロナウイルスに対する不安感や恐怖感は低くなっていると思います。
新型コロナウイルスのパンデミックが始まってから2年の間に、このウイルスに対しての研究は大きく進み、感染力や健康に及ぼす影響が明らかになってきました。もはや「謎のウイルス」ではなくなりつつあります。人は「危険だとわかっていること」よりも「危険かどうかもわからないこと」に不安を持ち、恐怖するそうです。国債や、その逆に宝くじのように、リスクがわかっているものを買うことは不安にはならないですよね。リスクがわからない不動産や株式に投資することには不安になる人が多いと思います。新型コロナウイルスも、わからないから不安を感じ怖れていたものが、わかるようになってきたことで不安や恐怖が減ってきたのではないでしょうか。
経営においても、先が見えないことが一番の不安だと思います。コロナ禍がいつまで続くかわからずとも、続いたら経営状態がどうなっていくかは予想することができますので、対応策を考える時間ができます。
内田会計グループは、年間予算のシミュレーションを標準サービスとして提供しています。ご要望があれば中期、長期でのシミュレーションもおこないますので、担当者までお尋ねください。