今まで確定申告をしたことが無い方が、相続により事業を引き継ぎ、確定申告をしなければならなくなった場合どうすればよいのか?
今回はこうした場合の注意点等をお知らせ致します。
所得税
青色申告承認申請書
青色申告者の特典の1つに所得金額から55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)、または10万円を控除するという青色申告特別控除があります。
この控除を受けるには青色申告承認申請書を税務署へ提出して承認を受けなければいけません。
被相続人が青色申告者だった場合の提出期限は、
- 死亡日がその年の1月1日から8月31日までの場合 … 死亡の日から4ヶ月以内
- 死亡日がその年の9月1日から10月31日までの場合 … その年の12月31日まで
- 死亡日がその年の11月1日から12月31日までの場合 … その翌年の2月15日まで
被相続人が白色申告者だった場合の提出期限は、上記4ヶ月以内が2ヶ月以内となります。
青色事業専従者届出書
青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族に給与を支払う場合には、届出書の提出がなければ事業の経費に算入する事が出来ません。
提出期限は、事業を承継した日から2ヶ月以内となります。
その他
その他の届出・申請が必要なもの(一般例)
- 個人事業の開業の届出書
- 給与支払事務所等の開設等の届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 減価償却資産の償却方法の届出書
- 棚卸資産の評価方法の届出書 ・・・ などがあります。
消費税
納税義務の判定
★相続があった年
被相続人の基準期間における課税売上高により判定する。
基準期間の課税売上高が1,000万円超・・・相続があった日の翌日から12月31日までが課税対象
基準期間の課税売上高が1,000万円以下・・・免税
※ただし、相続人が課税事業者である場合は免税とはなりません。
★相続があった年の翌年または翌々年
被相続人と相続人の課税売上高の合計額
消費税に係る届出書
被相続人が提出した届出書の効力は相続人には及びません。
被相続人に関する届出書
・個人事業者の死亡届出書・・・速やかに
相続人に関する届出書
・消費税課税事業者届出書・・・速やかに
(相続・合併・分割等があったことにより課税事業者となる場合の付表も)
・消費税簡易課税制度選択届出書・・・相続があった日の属する課税期間中
相続人が課税事業者だった場合で簡易課税制度の適用を受けていなかった場合は選択不可
・消費税課税事業者選択届出書・・・上記に同じ
※相続が12月にあった場合など、その課税期間のおおむね1ヶ月以内だった事により提出が間に合わなかった場合は翌年の2月末日までに提出
・適格請求書発行事業者の登録申請書
被相続人が適格請求書発行事業者としての効力が失われるのは、死亡届出書の提出日の翌日または、死亡した日の翌日から4ヶ月を経過した日のいずれか早い日。
相続人が登録申請書を提出した場合、適格請求書発行事業者の登録を受けた日の前日、または被相続人が死亡した日の翌日から4ヶ月を経過する日のいずれか早い日までの期間については、相続人を適格請求書発行事業者とみなす措置が設けられています。
期間中は被相続人の登録番号を相続人の登録番号とみなすこととされています。
弊社には相続に精通した顧問税理士も在籍しております。
簡易な相続税シミュレーションも随時対応していますので、お気軽にご相談ください。