ご挨拶

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内田会計グループ 相談役 内田 延佳

ご挨拶

4月になりました。本格的な春となり、人生にとっても入学や入社、そして人事異動等の大きな転機の月です。私たちの組織も転機の月を迎えます。
税理士法人アップパートナーズ長崎オフィス・島原オフィスは「税理士法人内田会計事務所」として再出発いたします。業務運営体制や提供サービスには全く変更はありませんので今後とも何卒格別のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

内田 佳伯

新事務所設立の経緯

参考までに税理士法人アップパートナーズ(UPP)と税理士法人内田会計事務所設立の経緯をご説明いたします。

私が税理士として勤務していた33歳の4月、伊万里市で税理士事務所を経営していた学生時代の友人菅村税理士から夜遅く自宅に電話がありました。 「一生に一度のお願いがある、病気入院することになった、入院期間は半年以上、税理士が不在となるので事務所を閉鎖しないといけない、内田さんに来て欲しい」との話でした。
私が当時勤務していた税理士事務所は長崎市内で中堅クラス、私は次長(部長代理)の役職にあり相応の処遇をしていただいていましたので正直迷いましたが、菅村税理士がゼロから苦労して築いた税理士事務所を維持継続するお手伝いをすること、を選択しました。
翌日勤務事務所の所長に退職の相談をして了解を得ました。そして、翌5月に伊万里市に単身赴任し菅村税理士事務所所長代理として勤務するようになりました。1980年(昭和55年)のことでした。

同年12月には菅村税理士が退院しましたので私は長崎に戻り、内田会計事務所を設立しました。その後も私と菅村税理士はお互い所長として情報交換や諸々の相談をする良い友人として付き合いました。 約20年後、私が54歳の時に菅村税理士は心筋梗塞で急死しました。2001年(平成13年)のことでした。
菅村税理士事務所の幹部職員T氏からの通報を受けて驚愕したことを今でも覚えています。大村市内の建設会社社長との面談時、携帯電話で話をしている私の顔が蒼白になったので社長が非常に心配されました。

菅村税理士は生前に信頼する幹部職員T氏に「自分に何かあったらすぐに長崎の内田税理士に相談するように」と言っていたそうです。菅村税理士事務所には税理士が不在となりまたもや閉鎖の危機となりました。私の会計事務所も税理士は私一人でしたので今回は私が応援に行くこともできずに対応に悩みました。菅村税理士事務所の社員、数十人の生活を守り、またお客様への継続した業務提供を優先しないといけない状況は私の人生にとって大きなかつ重大な試練でした。しかも早急に解決しないと菅村税理士事務所は閉鎖に追い込まれます。考えた末、私が信頼している佐賀市のM税理士に支援をお願いしました。
佐賀県内で最大規模の税理士事務所を経営されており複数の税理士が勤務していました。M税理士は快く承諾、ベテランのN税理士を2年間派遣していただきました。この支援がなければ菅村税理士事務所は閉鎖の運命、現在のUPPは存在しなかったと思います。同じ佐賀県内で競合していた菅村税理士事務所を助けていただいたM税理士はまさに「葉隠れの武士」でした。ただN税理士派遣の条件として「内田税理士が毎月の幹部会に出席すること」がありましたので私も2年間毎月伊万里まで行きました。

2年後に菅村税理士の長男菅拓摩氏が税理士として税理士会に登録し菅村税理士事務所の所長に就任しました。私はその後も顧問として毎月の幹部会に出席しましたが業務の情報交換や社員の交流を続ける中で自然と菅村税理士事務所グループと内田会計グループが業務提携をして一つの税理士法人とすることになり両グループが対等合併の形で2008年9月(平成20年)に税理法人アップパートナーズが誕生しました。二つのグループはそれぞれが独立して経営し統括するので代表者は私と菅氏の二人にしました。UPP設立時には長崎、福岡、伊万里の3オフィスでしたがその後佐世保市(初代所長:内田佳伯)、島原市、佐賀市にオフィスを増設し今日に至りました。

しかし規模の拡大を進めると経営上のリスク(税理士法人の代表者:出資者は無限連帯責任=自分の管轄外のオフィスのミスも全責任を負う)も高まるしUPPの後継者の問題も出てきました。
組織の将来を考えると一つの税理士法人での経営よりも各地域での独立した税理士法人の方が経営上の様々なリスクを防止できると考えました。結果としてそれが社員の生活の保障とお客様への業務提供の継続となります。
管轄するオフィスだけの責任を負えばよいので心理的なストレスが少なくて済みます。税理士法人内田会計事務所の管轄は長崎・島原オフィスになりますので細かい業務内容に目が行き届きかつ丁寧なお付き合いができます。

今後の指標

このような経緯を経て今回税理士法人内田会計事務所として再出発します。

私が1980年に開業したときの「地域密着の会計事務所として地域に貢献する」 「社外重役としてお客様の成長発展に寄与する」「地域の士業(弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士等々)と連携する」「地域の金融機関と連携してお客様の資金を支える」等に原点回帰して今後も尽力したいと存じます。

永続するビジネスの基本は三方良し「売り手良し、買い手良し、世間良し」です。内田会計グループも「お客様良し、社員良し、地域良し」を目指して努力してまいります。また人口減少が顕著な長崎県では市場が減少しています。コロナの影響もありますし組織の最適規模を考えて経営していかなければなりません。某経営者が「今からの事業は競業から協業の時代、自分の強みを活かし合うことでお客様の満足度を高められる。同業者同士での協業も考える時代。」と言われました。医療の世界では厚生労働省の指導で病院と診療所(クリニック)それぞれが役割分担をする時代になっていますが一般企業でも今後は同業者同士が役割分担をする時代になるかもしれません。経営環境は大きく変わります。

私は今後も「生涯現役 臨終引退」の心意気で仕事に精進したいと思います。経営者の高齢化に伴い経営の継承を考えられる方が多くなりました。長年お世話になりました経営者の皆様にはハッピーリタイアメントをしていただきたい、そのお手伝いもしたい、と思います。経営者の皆様とのご縁を大切にして会社と人生を末永くご支援をさせていただきたいと念願しています。

内田会計グループ 相談役 内田 延佳