このたび熊本県で発生した地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
被害に遭われた方々が、一日も早く穏やかな日常を取り戻されることを心よりお祈り申し上げます。
大きな災害が発生するたびに、私たちは「備えること」の大切さを改めて考えさせられます。
それは企業経営においても同じです。
自然災害はもちろん、社長自身の突然の病気やケガなど、「まさか」はいつ起こるか分かりません。
そのとき、会社はいつもどおり動き続けられるでしょうか。
「まだ元気だから大丈夫」と思っていませんか?
経営者の方とお話ししていると、こんな言葉をよく耳にします。
「まだ元気だから大丈夫」
「自分がやった方が早いから」
もちろん、健康で仕事ができることは何より幸せなことです。
しかし、会社を守り、社員やその家族の生活を守るためには、「もしも」に備えることも経営者の大切な役割ではないでしょうか。
社長が1週間会社を空けたら、会社はどうなりますか?
少し想像してみてください。
もし社長が突然入院し、1週間会社を離れることになったら…。
- 見積書は作成できますか。
- お客様からの重要な問い合わせに対応できますか。
- 銀行との打ち合わせは予定どおり進みますか。
- 給与計算や振込は滞りなく行えますか。
- 社員は誰に相談すればよいか分かっていますか。
- 現場の判断は止まらずに進められますか。
もし「社長がいないと止まってしまう仕事」があるなら、それは会社の課題かもしれません。
長崎県の企業にとっても他人事ではありません
長崎県でも近年、大雨や台風による被害が発生しています。
また、九州は地震とも決して無縁ではありません。
災害はある日突然、会社の事業継続を考えなければならない事態を引き起こします。
さらに、多くの中小企業では経営者の高齢化や後継者不足も大きな課題となっています。
だからこそ、「社長が元気な今」のうちに、会社が継続して動く仕組みを整えておくことが大切です。
「社長が忙しい会社」ほどリスクが高い
長崎県内の中小企業では、営業や現場に限らず、経理や採用、資金繰りまで社長がしている会社も少なくありません。会社をここまで成長させてきたのは、社長の努力があったからこそです。
しかし、その一方で、
「社長しかできない仕事」
が増えてしまっていないでしょうか。
社長一人に仕事が集中するほど、会社は「社長がいなければ動けない状態」になってしまいます。
その結果、毎日の業務に追われ、
- 将来の事業計画
- 人材育成
- 利益改善
- 新しい取り組み
を考える時間が取れなくなってしまいます。
本来、社長が最も時間を使うべきなのは、「今日の仕事」ではなく、「会社の未来」を考えることです。
「会社が回る仕組み」をつくることも経営です
「社長がいなくても会社が回る」
この言葉を聞くと、「社長が必要なくなる」という意味に聞こえるかもしれません。
しかし、そうではありません。
社長がいなくても会社が回るということは、社長が本来取り組むべき「経営」に集中できる会社になるということです。
そのためには、
- 業務マニュアルを整備する
- 判断基準を共有する
- 社員へ少しずつ権限を委譲する
- 社内ルールを見える化する
など、「人」に頼る経営から、「仕組み」で動く経営へ少しずつ変えていくことが大切です。
AIやDXは「社長の代わり」ではなく、「会社を支える仕組み」
最近では、生成AIやDXを活用する企業も増えています。
例えば、
- 会議の議事録をAIが作成する
- マニュアルをAIで整理する
- 定型的な問い合わせ対応を効率化する
- 経理業務をデジタル化する
こうした仕組みを取り入れることで、情報共有が進み、業務の属人化を防ぐことができます。
AIは人の仕事を奪うものではありません。
社長や社員が、本当に価値を生み出す仕事に集中するための「支える仕組み」です。
一度、自社を点検してみませんか?
次の項目はいくつ当てはまるでしょうか。
□ 社長しか分からない仕事がある
□ 社長が3日休むと困る仕事がある
□ 業務マニュアルが整備されていない
□ 社員だけで判断できる仕組みが少ない
□ 重要な取引先とのやり取りを社長しか把握していない
□ パスワードや契約書の保管場所を社長しか知らない
□ 事業承継について具体的な準備ができていない
3つ以上当てはまった方は、一度会社の仕組みを見直してみることをおすすめします。
おわりに
私たち会計事務所は、税務申告や決算書の作成だけが仕事ではありません。
会社の数字を見える化し、利益が残る仕組みづくりをお手伝いすること、そして会社が長く成長し続けるための経営を支援することも、大切な役割だと考えています。
私たちがお客様を訪問する中で感じる大きなリスクの一つが、「社長しか知らない」が多いことです。
会社の数字、銀行との取引、契約書、給与計算、重要なパスワード…。
こうした情報が社長しか分からない状態では、万が一の際に会社は大きく混乱してしまいます。
だからこそ、社長が元気な今こそ、情報を整理し、役割を分担し、会社が動き続ける仕組みを少しずつ整えていくことが重要です。
「社長がいなくても会社が回る」
それは、社長の存在価値がなくなるということではありません。
社長だからこそ取り組むべき「経営」に集中し、社員が安心して働き、お客様から信頼される会社をつくること。
それが、これからの時代に求められる企業経営ではないでしょうか。
私たちも税務・会計の専門家として、会社が長く続くための仕組みづくりを全力でサポートしてまいります。