2025年問題と言われるように、いわゆる団塊の世代が75歳以上となり、企業を後継者に託す時期に突入しています。経営者が第一線を退くパターンとして、➀事業承継(親族、従業員、第三者)、➁譲渡(M&A)、➂廃業に大きく区分されますが、最も可能性の高い➀には株式評価が避けて通れません。
上場株を除く中小企業の株式評価は、原則的評価(オーナー株主)と特例的評価(オーナー以外の株式)に分かれます。さらに原則的評価は、➀類似業種比準方式、➁純資産価格方式、➂併用方式に分かれます。➀は国税庁から適時公表される業種別の平均値を用いて計算する方法で、➁は評価する法人の財産債務を個別に積み上げて計算する方法です。ざっくり言えば、評価する会社の規模が大きいと➀、規模が小さいと➁、中間規模の会社はその併用という整理で評価をすることになります。
会計検査院が昨年11月に内閣へ送付した「令和5年度決算検査報告」には、取引相場のない株式の評価について問題点が指摘されました。
具体的な数値は省きますが、要約すると以下の内容になります。
- 類似業種比準価格は純資産価格に比して相当程度低い水準
各評価方式の間で1株当たりの評価額に相当のかい離が生じている - 評価会社の規模が大きい区分ほど株式の評価額が相対的に低く算定される傾向
- 配当金額を計上していない評価会社が約8割
2つの比準要素(年利益、純資産)を、配当を含めた3要素で除する⇒評価額減 - 特例的評価方式の還元率(10%)は通達制定当時の昭和39年の金利等を参考に設定
金利水準が長期的に低下する中で見直しされていない
指摘を受けた国税庁はそう遠くない将来、何らかの対応(税制・通達改正⇒評価額増)を迫られることは相違ありません。勿論、税制改正大綱発表、閣議決定の手続きを経て施行されますが、改正が公表された場合、駆け込みの評価と株式異動が予想され、評価法人が希望する期限までに会計事務所が対応できない可能性も考えられます。
こうした背景を踏まえて株式異動をお考えのお客様は、早めのアクションをご検討されてはいかがでしょうか。詳しくは担当者までお気軽にお尋ねください。