社会福祉法人は、将来の特定の目的の費用または損失に備えるため、事業活動計算書の当期末繰越活動増減差額の積立金取崩額を加算した額に余剰が生じた際に、積立金を計上することができます。
積立金の例は下記のとおりです。
名称 | 用途 |
人件費積立金 | 退職金や賞与の支払いに備えるための積立金 |
修繕積立金 | 施設の修繕に備えるための積立金 |
施設設備整備積立金 | 施設の建物・設備の整備に備えるための積立金 |
工賃変動積立金 | 一定の工賃水準を保障するための積立金 |
積立手順について
積立金を積み立てる際は、目的を示す名称を付けます。
また、同時に同額の積立資産を計上する必要があります。
積立資産は日常業務の資金と分けるために、定期預金等で管理するのが一般的です。
計上時の仕訳は次の通りです。
人件費積立金の例
【借方】 | 【貸方】 |
人件費積立資産(貸借対照表) | 現預金(貸借対照表) |
人件費積立金積立額(事業活動) | 人件費積立金(貸借対照表) |
人件費積立資産支出(資金収支) | 支払資金(資金収支) |
また、決算時には「積立金・積立資産明細書 別紙3(⑫)※」の作成も必要となります。
※ 厚生労働省 『社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて』P42
積立金計上や取崩の際には理事会の承認が必要です。
積立金の種類によっては積立要件・限度額等の定めがあり取り扱いが少し複雑になるため、積み立てを考えられている際は、一度担当者にご相談ください。
参考
厚生労働省 『社会福祉法人会計基準』
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=428M60000100079
厚生労働省 『社会福祉法人会計基準の運用上の取り扱いについて』
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000854246.pdf
兵庫県社会福祉協議会 『積立金と積立資産の積立手順』
https://www.hyogo-wel.or.jp/dl/qa/k024.pdf
全国公益法人協会 非営利用語辞典 『設備等整備積立金(社会福祉法人)』
https://www.koueki.jp/dic/hieiri_566/