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  • 2021.08.11
  • Category: あけぼの(社報)

【会報誌】あけぼの 2021年8月号

LINE UP:

  • 残暑お見舞い申し上げます
  • 医療法改正により認定医療法人制度継続決定に!
  • 税務調査の概要(令和2年4月~3年6月)
  • 税務カレンダー、職域接種を進めています、RPA無料相談会開催

特別編:

  • コロナ禍で過剰債務になった企業の打開策
  • デジタル化応援隊事業

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掲載内容一部抜粋

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内田会計グループ 相談役 内田 延佳

「残暑お見舞い申し上げます」

8月は暦の上では残暑、晩夏ですが、梅雨明けした日本各地は猛暑の季節です。今年の日本は東京五輪・パラリンピックの夏です。新型コロナ感染防止のために、殆どの競技が無観客で実施され空っぽの会場で奮戦活躍する選手の思いは複雑なものでしょう。暑さ対策だけでなくコロナ感染防止対策も迫られ、不安を抱えながらの大会となりました。


感染力が強いデルタ株の出現もありワクチン接種が進んでもコロナの収束が見通せません。企業経営にも徐々にマイナスの影響が出てきました。内田会計事務所のお客様に対しては助成金、補助金、借入金等々、税理士法人として対応できる対策を、全力を挙げて実施しご支援をさせていただいています。補助金等の申請では顧問契約をしていない企業からも支援要請がありましたので、地域経済への貢献と思いお引き受けしています。国・地方と民間金融機関からの資金導入のおかげで企業倒産は少なくなっていますが、貸借対照表の肥大化が進んでいます。貸借対照表の資金増(資産増)=借入金増(負債増)、このバランスに注視していただきたいと思います。借入増→資金増→倒産減、このサイクルになっているのが企業の現状です。


某信用調査会社の報告書では、中小企業の3社に1社が「過剰債務」、またコロナ禍での緊急避難的な資金繰り支援は大きな効果を発揮したが副作用もあった、と報じられています。財務分析でよく活用される比率に「借入月商倍率」(有利子負債/平均月商)があります(簡単にいえば、借入金が月商の何倍か?)。業種にもよりますが約3倍が判断の目安になります。弊社には金融機関出身者が2名在職していますので今後の資金繰りが不安な方はぜひご相談ください。


コロナ禍をチャンスと考えIT融資制度を活用して経営改善や事業再構築等を実践されている経営者もいます。弊社にはITの専門家も多数在職していますのでぜひご相談ください。経営は山あり谷あり、谷の時にこそ経営者の真骨頂が問われます。人生も同じです。禅宗の和尚様が「人生は迷いや孤独という苦労の日々を乗り越えて、喜びをかみしめて生きていくものです。喜怒哀楽を深くかみしめて生きていくことが味わいある人生なのです。そして、今の生き方が未来の自分を決めます」と言われました。

歴史好きな私は地元紙の連載小説「家康 飛躍編」(安倍龍太郎・作)を毎日楽しみに読んでいます。ともに信長の愛弟子であった秀吉と家康の壮絶な戦いと駆け引き。信長を見殺しにした秀吉を快く思っていなかった家康ですが、日本の社会的安寧という大局観のもと、秀吉の傘下に入ることを決断します。若い頃から執着を断つ人間修行を積んできた家康、片や自らの欲望を満たすべく疾走してきた秀吉、二人は対照的な人間ですが個性豊かで人間味があふれ、それぞれが天下を取ります。秀吉は機を見るに敏な性格で「人たらし」と言われたほど人心掌握がうまかった、そして関白=天下人となったが、秀吉を熟知していた武将は「都合が悪くなれば、恩人だろうと主人だろうが切って捨てる、それが関白秀吉どのの強みでござる」と喝破しました。秀吉の性格が短命政権に終わった原因かもしれません。一方、260年余の長期政権を作り上げた家康、「人の世は重き荷を背負うて遠き道を行くが如し」の人生を歩んだ家康の生き様は、複雑な現代社会、かつ今のコロナ禍の中で様々な教訓を得ることができます。


「人生はゲームではありません。勝てば良いというのではなく、お金が儲かった、名声が上がった、の前に、正しく生きたか、が大事だと思います。子供に対しても、会社や社員に対しても恥ずかしくない生き方をしていきたいと思います」。これは私が信頼する弊社社員のメールです。歩や桂馬と同じように前進しか考えてこなかった私にとって「人生は何が大切か?」を問う心に響くメールでした。時には自分が歩んできた人生を振り返ることも大切です。また組織においては上位クラスの幹部ほど高いスキルも大事ですがそれ以上に人間性(人徳)が重要だと思います。成功した経営者は人間的にも尊敬できる方が多い、自分はまだまだ未熟、と再認識しました。


8月の長崎といえば「精霊流し」ですね。残念ながら今年もコロナ禍で寂しいものになりそうです。私たちが今あるのはご先祖様のおかげ、家族が集まり祖父母両親を偲びながら静かにお盆を過ごしたいと思います。


まだまだ暑さが厳しい毎日です。ご自愛ください。